ひむか神話街道を訪ねて(その壱)

  •  呼称:七本杉(しちほんすぎ)
  •  樹種:スギ科スギ
  •  所在:高千穂町大字岩戸・天岩戸神社
  •  指定:県巨樹100選
  •  主幹周:685(計2,079)cm 樹高:55m
  •  樹齢(推定):300年
 天岩戸(あまのいわと)神社は、岩戸神話にまつわる天岩戸を祀る神社です。弟の素戔嗚尊(スサノオノミコト)の傍若無人な振る舞いに怒った 天照大神(アマテラスオオミカミ)は岩屋に隠れてしまい、国中常闇(とこやみ)となってしまいます。困った八十万神(やそよろずのかみ)たちが天の安河(あまのやすかわ) のほとりに集って相談したうえで、岩屋の外で祝詞(のりと)をあげ、天鈿女命(アメノウズメノミコト)がおもしろ可笑しく舞ったところ、大神が岩戸を少し開けてのぞきました。 このとき手力雄神(タヂカラオノカミ)が岩戸に手をかけ投げ飛ばし、やっと大神を外に連れ出すことができたのです。 以後、高天原(たかまがはら)は明るく平和になったといいます。
「七本杉」はその天岩戸の真上に位置し、東本宮の裏手にあたる場所にあります。正に7本のスギが連なっているところをみますと、 おそらく昔スギの倒木があり、その枝が同じように生長を遂げたものと推し量ることができます。

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  •  呼称:秩父杉(ちちぶすぎ)
  •  樹種:スギ科スギ
  •  所在:高千穂町三田井・高千穂神社
  •  指定:県巨樹100選
  •  幹周:725cm 樹高:47m
  •  樹齢(伝承):800年
 神武天皇の兄三毛入野命(ミケイリノミコト)を祀る高千穂神社には、「鎌倉時代初期の文治年間、源頼朝は秩父の豪族畠山重忠を代参させて 天下泰平を祈願し、このとき重忠は狛犬を献納してスギ2本を手植えした」という秩父杉の由来が残されています。
 高千穂神社では、神楽の里高千穂の名にふさわしく、ほぼ毎日観光夜神楽が舞われています。







  •  呼称:田原(たばる)のイチョウ
  •  樹種:イチョウ科イチョウ
  •  所在:高千穂町河内・熊野鳴滝神社参道
  •  指定:県巨樹100選・国天然記念物
  •  幹周:715cm 樹高:28m
  •  樹齢(伝承):600年
 河内は、島津軍に追われ豊後に逃れる伊東義祐にとって日向における最後の地になりました。「田原のイチョウ」が伝承する樹齢は、 義祐がこの地に訪れたころすでに200年に近かったことを示しています。
 イチョウの横の石段は熊野鳴滝神社の参道で、古くは境内の隣に紫雲山興善寺があり、イチョウがある場所は山門があったその跡と伝えられています。





  •  呼称:祇園(ぎおん)大ヒノキ
  •  樹種:ヒノキ科ヒノキ
  •  所在:五ヶ瀬町大字鞍岡・笠部
  •  幹周:782cm 樹高:27m
  •  樹齢(推定):700年
 大ヒノキは、近年町が取り組んだ「地域の宝探し」でにわかに脚光を浴びることになりました。近くにそびえる祇園山は、九州で最初に誕生した場所といわれ、 クサリサンゴなどの化石が出ることで有名です。
 大ヒノキのすぐ東には尾根道があり、かつて山東に位置する大石集落の村人が険しい峠越しをした道として知られています。





  •  呼称:祇園神社(ぎおんじんじゃ)のケヤキ
  •  樹種:ニレ科ケヤキ
  •  所在:五ヶ瀬町鞍岡・祇園神社
  •  指定:町天然記念物
  •  幹周:530cm 樹高:23m
  •  樹齢(推定):400年
 鞍岡(くらおか)中心部にある祇園神社は、天正年間に日向に攻め入った豊後の大友宗麟の兵火で社殿が焼失したと伝えられています。
 石段脇のケヤキの巨樹は、その前後に根付いたものと推測できます。
 現在の社殿は、その後北の殿にあった大ケヤキ1本で造られたといわれ、外壁に施された巧妙な細工から先人たちの豊かな木の文化がうかがえるのです。






  •  呼称:黒峰(くろみね)の大ガシ
  •  樹種:ブナ科アカガシ
  •  所在:五ヶ瀬町鞍岡一の瀬・黒峰登山道口
  •  幹周:610cm 樹高:15m
  •  樹齢(推定):400年
 アカガシの巨樹があるこの一帯は「西の神の森」、西の沢は「コウザキ谷」と呼ばれてきました。
 その谷の入口には、狩猟の安全を祈ってコウザキ殿を祀る大きな岩を見ることができます。
 ここは黒峰への登山道の登り口で、古くは西隣の清和村(熊本県)の村人が尾根を越して買い物に来ていたといいます。






  •  呼称:八村杉(やむらすぎ)
  •  樹種:スギ科スギ
  •  所在:椎葉村下福良・十根川神社
  •  指定:県巨樹100選・国天然記念物
  •  幹周:1,317cm 樹高:50m
  •  樹齢(伝承):800年
 平家残党の追討の命を受け椎葉山に入った那須大八郎は、椎葉平家の鶴富姫と恋に落ちましたが、その3年後には帰国することになります。
 すでに懐妊していた姫は、大八郎が帰った後に生まれた子に那須の姓を名乗らせたといいます。
 八村スギは、椎葉を訪れた大八郎が植えたと伝えられ、単幹では県内最大の巨樹で端正な姿が魅力です。






  •  呼称:大久保(おおくぼ)のヒノキ
  •  樹種:ヒノキ科ヒノキ
  •  所在:椎葉村下福良・大久保
  •  指定:県巨樹100選・国天然記念物
  •  幹周:780cm 樹高:36m
  •  樹齢(伝承):800年
 大久保のヒノキは、八村スギと同じく800年の歴史を持つといわれます。
 枝は東西32m、南北30mの広がりを持ち、地上1mで多くの枝を出していて、これらの大枝が主幹に絡み付いていることが特徴になっています。
 根元は古い墓地で、周囲の薄暗い森と相まって一時の静寂を感じさせます。
 集落下の森には、軽装では急峻すぎる地形ですが、ツガの巨樹も見ることができます。






  •  呼称:村椎(むらじ)のカツラ
  •  樹種:カツラ科カツラ
  •  所在:椎葉村下福良・村椎
  •  指定:県巨樹100選
  •  幹周:1,060cm 樹高:40m
  •  樹齢(伝承):500年
 樹木を農事暦として利用した例に「種まき桜」がありますが、このカツラも春の新緑、秋の黄葉と四季折々の姿を見せ、 遠くからもはっきり見えたことから農作業の適期を知る目印に利用されたといいます。
 カツラは、しばしば水神様の木としても崇められ、ここでも所有者の先々代まではカツラに御幣を供えて祀りました。
 このカツラから少し下った場所に水源があり、やはり子孫によって御幣が祀られています。






  •  呼称:樫葉(かしば)のイスノキ
  •  樹種:マンサク科イスノキ
  •  所在:南郷村上渡川・樫葉国有林
  •  指定:県巨樹100選
  •  幹周:490cm 樹高:20m
  •  樹齢(伝承):700年
 樫葉は、自然植生の垂直分布が豊富に見られる貴重な地域です。
 多様な渓谷地形は優れた自然環境を成し、県の自然環境保全地域特別地域にも指定されています。
 白水滝に至る歩道沿いには巨木群が見られ、幹周490pを誇るイスノキと、そこからほどない距離で出逢えるモミもまた森の王者の風格を漂わせています。




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