宮崎県のスギ林
南那珂郡北郷町・板谷国有林
 宮崎県の総面積は約77万ヘクタールで、その76パーセントに当たる約58万ヘクタールが森林で覆われています。
 民有林は約41万ヘクタールで、そのうち約25万ヘクタールがスギやヒノキなどの人工林です。人工林の中でもスギの植栽比率が最も多く、約18万ヘクタールを占めています。


 人工林では、一般的に写真上や下左のように整然と植え付けられます。決して縄を張って等間隔を保とうとした訳ではありません。作業員の技術といったところでしょうか。このように、天を挿すように整然と並んだ若々しいスギ林も好まれる光景のひとつです。


 また、写真上に見える広葉樹(スダジイ)は、植え付けや下刈りなどの作業の休憩場所として残されたもので、炎天下で作業をする人たちの憩いの場を提供してくれました。そして、スギが伐採された後は、種子によって更新が行われることを予測した先人たちの知恵でもあります。
整然と並ぶスギ木立ブナ黄葉とスギ林
 森は、時に素晴らしい光景を見せてくれます。写真上右は、若いスギ林の一角で黄葉するブナで、スギは晩秋に入ってもまだ生長を止めていません。
南那珂郡北郷町・板谷国有林2005
 上の写真は、一番上の写真で見たスギ林の約10年後の姿です。スダジイと比べると、スギの生長度合いが良く分かります。
東臼杵郡諸塚村・モザイク林(冬)
 東臼杵郡諸塚村は林業の村として知られています。シイタケ栽培も盛んで、その原木としてクヌギが植栽されます。


 スギ・ヒノキとクヌギを植栽した結果、写真のようなモザイク状の森が形作られました。写真上はクヌギが葉を落とした冬の姿、茶っぽいのがクヌギ、黒っぽいのがスギ林です。
東臼杵郡諸塚村・モザイク林(春)
 写真上はモザイク林の春の姿で、淡い緑が若葉のクヌギ林です。
三岩遺伝資源保存林
 宮崎におけるスギ植林は歴史が古く、日南市を中心とする飫肥(おび)地方では、宝暦13(1763)年にスギの穂を直接山に挿し付ける方法(=直挿し造林)で植林が行われた記録があります。


 昔から木材生産が盛んであった経緯もあって、県南部にはスギの巨樹はほとんど残されていませんが、北郷町の三岩(みついわ)に林木遺伝資源保存林として、明治11年頃に直挿しで植林されたスギ林が残されています(写真上)。
飫肥城本丸跡のスギ林
 上の写真は、日南市の飫肥城本丸跡にあるスギ林で、2005年秋からのNHK朝の連続テレビドラマ「わかば」に度々登場した場所です。清々しい気持ちにさせてくれる場所のひとつでもあります。


 今やスギは、花粉症の加害者として悪者扱いされていますが、大都市と地方では明らかに患者数が違うこと、マウスによる実験ではディーゼルガスを吸引させると発症率が高くなることなどから、花粉症は人為的な大気汚染が原因であることが分かっています。


 私も花粉症患者の一人ですが、例えすべてのスギが無くなったとしても、花粉症の原因植物は別に52種類もあるのですから、スギだけに責任を擦り付けるのではなく、有効に利用しながら、私たちの身の回りから環境を改善していくことが必要です。
南那珂郡北郷町・板谷国有林
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